060:これを愛と呼ぶのなら
「っう、やだぁっ…」
「やだじゃないだろう?」
それはまるで、飢えた狼のように
先生は私を求めた
必死に逃れようと
じたばた足掻いても
所詮、男女の力の差。
敵うはずもなく、まったく無駄な行為
ぎりり、とキツク掴まれてベッドに押し倒された私の頭上に、
いとも容易く拘束された両の手
いつも私の頬に優しく触れてくれているのと同じ手かと思うと、
ぞっとした。
痛い
痛いよ
言っても、一向にその力を緩めてくれる気配はない
ねぇどうしたの
何か哀しいことがあったの
それとも…
「っあぁ、駄目――――――――!!」
「どうして嘘を吐くんだ?
悪い子だな、――――――――…」
そう言って無理矢理捻じ込まれたそれは、
いつもと変わらずアツクアツク熱を持っていて
嫌がる私を他所に、好き勝手に動き回る
熱いのに、氷みたいに、感じた。
それは私を愛す為の器官であり、壊すための凶器だ
散々焦らされていたから、すんなりとは受け入れられたけれど
痛い
痛かった
心、が。
とてつもなく、痛い
やだ怖いヤメテやめてお願いだからねぇちゃんと私の声、聴いてよ
不思議と両の目からはしょっぱい液体は流れなかったけど、
その分心が泣いている気がした。
どうして、かな
「っはぁんっ、ア―――…」
「あんなに嫌がってたのに、結局は感じて…おまえさんの口は、随分と天邪鬼なんだな」
「ッ…」
「それに比べて下の口は、正直だ…好きだぜ?なぁ、」
「も…ヤ…!」
体なんて単純で
そしてこの行為も、単純で
生殖して地球上から人間を絶やすな、
というプログラムされた本能が
どんなに心が拒否しようとも、結局は体を開かせて、快楽へと導いていく。
笑えば良いよ
人間という、劣等生物は
こういうモノなんだから
…笑うのは誰?
神様?
合理的動物?
アダム、イヴ?
違う
笑うのは、このひとだ
「わかってる、癖に…!」
「…何がだい」
私を手の内に堕とす事なんて、
この人にとってはとても簡単なことなんだもの
そう訊きながらも、繰り返される律動は止まらない
部屋の中に響く厭らしい水音も、ベッドの軋む音も
耳を塞いでしまいたかった
ああ、貝になれたら良いのに
そうしたら今度こそ、ぴっちりと貝柱で栓をして
誰も寄せ付けない、入り込ませないわ
…そうして一人、寂しく死んでいくの。
「ひぁぁっ、あぁ…!!」
「ッ、…」
終わりが近い
頭の中で、何も考えられなくなっていく
それなのに、体だけはひどく欲望に正直で
あんなに嫌がってたのに、ほら。
今はもう自分から、腰を振ってるわ
愚かな劣情に、溺れてしまったの
可哀相な私
堕とされた空間からはもう、抜け出せない。
「あ、あ―――――――もう、お願いだから…!!」
「っ、…何処に欲しい?言ってみろよ」
「中…」
「何?聞こえないな」
「中に、くださいっ…!!」
「…良い子だ」
頭の中が真っ白になると同時に、
体の中に熱いものが吐き出されるのを感じた
まだドクドクと脈を打つ愛の凶器は、私の中でその形を保っている
私の体から出て行かないことからすると
きっとまた、休みも与えずに律動を始めるんだろう
欲望に正直な、浅ましいこの体
今日もまた、絶対服従
これを愛と呼ぶのなら、
私は何を、信じたらいいのだろう?
自分の体や意志さえも、信じられないと言うのに。
「おはよう、」
「…おはよー…体、痛い」
「起きて第一声がそれか」
「もう絶対やだからね、プチ強姦SMごっこ」
fin.
アイタタタ…汗
ごごごごめんなさいジェントルメンな先生ファンの皆様ー…!
管理人テストで頭がおかしくなったんだと思ってください…orz
05.07.29 Mia