たった紙きれ一枚。

だけどそれだけで、私は幸せだから。

変わったのは名字、それだけ。

これから先ずっとずっと、あなたの隣で支えていくから。

あなたに私を、捧げます。















〜 s p r i n g  b r i d e 〜















市役所に婚姻届を提出して、一週間。

ようやく私は大好きな先生の“妻”になったと言う現実に、実感が沸いてきています。

同じ家で生活するのは以前と何も変わらないけれど…

今は、朝起きると先生の無防備な寝顔がすぐ隣にあって。

それから先生を起こして、おはようのキスをして、朝御飯を作る。

そんな些細な事だけど、すっごく…幸せ。

新婚のノロケ、って言われればそれまでだけど…毎日が楽しくって仕方ない!





「せーんせっ!そろそろ起きて?」

「ん…もう朝、か…」





気持ち良さそうに眠る先生の肩を揺らして、先生を起こす。

まだ眠そうな表情…

そんな顔されたらつい二度寝させてあげたくなっちゃうんだけど…

ここは心を鬼にして起きてもらいます。

(しかもたまにそのまま私まで布団の中に引きずり込まれちゃう時もあるし。

 油断出来ないんだから、先生…。)





「今日はピノコちゃんにお弁当作ってって頼まれてるから私先に行くけど…

 ちゃんと起きてね、先生」

「ん…わかったよ」





ちゅっ、と先生の頬にキスをすると私は部屋を後にした。

申し訳ないけど、今日は一緒にベッドでまったりしてる時間はないのです。


結婚するって決まった時に最初に悩んだのはピノコちゃんに何て言うか、だったんだけど。

でも意外にもピノコちゃんはあっさり了承してくれて。

ううん、それ以上に、喜んでくれた。

今私達は、親子みたいな姉妹みたいな…言葉にはしづらいけれど、前以上にとっても仲良しな関係です。





「さて…何にしようかな」





お弁当の中身って、案外悩むのよね。

何品か作らなきゃいけないし、だからと言って手は抜きたくないし…

冷蔵庫とにらめっこしながら、私は何を入れたらピノコちゃんが喜んでくれるかを考える。

可愛い“妹娘”の為だもん、頑張らないわけにはいかないでしょうっ!










「ピノコの奴、どっか行くのか?」

「あ、先生!」





しばらくして出来上がったおかずをお弁当に詰めていると、後ろから声がした。

その声に振り向くと、そこには愛しい旦那様の姿。

黒のスラックスに白いシャツで襟元のボタンがいくつかはだけてる、という少しラフな格好で

私のすぐ後ろに立っていた。





「おはよう、

「おはよ、先生」





私の背後にぴったりと寄り添うと、先生は私の唇にキスをした。

最初は照れ臭かったけど、今はもう習慣になったみたい。





「今日はね、写楽君とお花見に行くんだって」

「へぇ…花見か。もうそんな季節なんだな」





青空が澄み渡る、気持ちの良い天気。

本当にお花見日和、って感じの日。

先生もダイニングテーブルに座って、空を見上げていた。





「ピノコがいないのか…じゃあ今日は一日中」

「しない」

「…まだ何も言ってないだろう」





まだ何も言ってないって言ったって、大体予想はつくし!





「大体夕べだってあんなにしたのにっ…」

「良いだろ?夫婦なんだから」

「そういう問題じゃない〜っ!!」





先生に反論しながら、自分でも顔が赤くなっていくのがわかる。

私はこんなに必死になってるのに、先生ってばシレっとした顔しちゃって。

サラッと言うけど、それは理由になってないよ先生…。


先生と結婚してから、夜は毎日の様に体を重ねていて。

嫌じゃないけど、何て言うかその…

少しは控えて欲しいかな、なーんて。

たまにはゆっくり寝たいよ、お肌の為にも。





「おはよ、何騒いでゆの〜?」

「あっ…お、おはよ、ピノコちゃん!」

「わぁー、ちゅご〜い!!そえピノコのおべんと??カワイーイ!」





そこに、目を擦りながらピノコちゃんが起きてきた。

何を騒いでたかなんて言えるはずもなく慌てて取り繕おうとすると、

ピノコちゃんはテーブルの上に置いてあったお弁当箱を見付けるとすぐにそっちに飛び付いた。

桜に負けないくらいの満開の笑顔で、喜んでいるピノコちゃん。

こんなに喜んでくれて…作り甲斐あるなぁ。

早起きして頑張って良かった!





「ジュースも水筒に、入れておいたからね。さ、朝御飯にしよっか!」

「はーいっ!」





お弁当を作るついでに一緒に作っておいた朝御飯を三人分用意して、皆でテーブルを囲む。

そんな当たり前の事でも、すごく幸せ。

…幸せボケしてるかなぁ、私ι

でもピノコちゃんの元気な笑顔と…先生の、カッコいい姿を見ていたら───

思わず頑張りたくなっちゃうんだ。










「じゃあ、行ってきまーちゅ!」

「はーい、行ってらっしゃい!」

「気を付けるんだぞ、ピノコ」





お弁当やお気に入りのものをたくさん詰めたリュックをしょって元気に家を出るピノコちゃんを

玄関で見送り、眩しい外へ出る私と先生。

しばらくその春の陽射しを感じながら立っていると、先生が私の肩を抱いてきた。





「今日…どうしよっか、二人で。久しぶりだね、こんなのって」

「さぁ…俺はおまえさんがいれば、何でも良いぜ?俺の可愛い奥さん」

「…先生」





先生のその言葉に、思わず顔を赤くする私。

恥ずかし過ぎる様な台詞でも、先生が言うとすごく様になってしまう。

惚れた弱味、って奴だろうけど。





「ゆっくりと“夫婦の営み”も良いんだが…子供はまだ、早いしな。

 まぁ、避妊をすれば良い話なんだがね」

「───どうして?」





先生の子供…欲しい、なんて言ったら、駄目なのかなぁ…?

そりゃあまだ私自身が、子供っぽいけど…

大好きな人の赤ちゃんだもん、授かったら…嬉しいよ。





「…たいからだ」

「え?ごめん、聞こえなかったよ。もう一回、言って?」

「────まだおまえさんを、独占していたいんだよ…」

「え─────」

「子供なんか出来たら、を取られちまうだろ?

 ただでさえ、今もピノコに取られてるのに…」

「────ふふっ…」

「わ、笑うなっ…!」





左手で顔を抑えながら、恥ずかしそうに目を伏せる先生。

そんな先生が何だかすごく可愛くて、思わず口から笑みがこぼれてしまった。

ごめんね、先生?

だけど今の顔は…反則、だよ。

そんな先生が愛しくって仕方がなくなって、私は思わず先生に思いきり抱きついた。





「えへへ…大好き、先生ぇ」

「…ったく…」





抱きついてきた私を、その大きな腕で優しく受け止める先生。

温かくて、心地良い。

改めて、この人が好きなんだなぁ…と、思う瞬間。

─────先生になら、ずっと…独占されて、いたいよ?

離れたくない、離してほしくない、あなたの腕。





「…二人で居るときは名前で呼ぶって、約束したろ?」

「あ…そか、ごめん」





そう、結婚してから決めた、二人の約束。

だけど先生を名前で呼ぶのは、やっぱり照れ臭くて。

いつもみたいに習慣で、つい“先生”って呼んじゃうんだよね。

まるで“呼んでくれ”とでも言うかの様な声色で、私を呼ぶ先生。

…私だって呼びたいけど、だけど──────





「くろ、くろぉ…さ────っあー、やっぱ無理っ!!恥ずかしいよ〜!!」





習慣、恐るべし。

恥ずかしさが邪魔をして、どうしても最後の一言を紡ぎ出せない私。

そんな私を、まだ離さない先生。

…言うまで離してくれなそう、この人…!





「別に恥ずかしがる事はないだろう。俺達は夫婦だ」

「だ、だって〜…」

「早く言ってくれなきゃ、拗ねるぞ」

「…。(もう拗ねてる癖にーっ!!)」





頑張れ、私。

先生でもあなたでもなくて、黒男さん、なんだから。

たった一言、だけどその一言が、遠い。

でも言わなきゃ!

いつまで経ってもこのままじゃ、いられないもんね。





「……黒男、さん…」

「…良くできました」

「…っ〜!!」





自分の名前を呼ばれたのを確認すると、ちゅ、と私のおでこにキスをする先生。

ますます赤くなる私。

目線を上げると、そこには不敵な笑みを浮かべる、先生がいた。





「愛してるぜ、─────…」

「ん…私も世界で一番、あなたを…愛してるから」

「必ずきみを、幸せにするから────ずっと一緒に、いてくれ…」

「…うん、離さないで、ずっとずっと…離さないで」

「当たり前さ─────」





改めて、私の唇を奪う先生。

…嬉しくて、涙が一筋、流れた。

愛されていると言う、実感。

愛していると言う、実感。

支えられるだけじゃなく、私もこの人の支えになりたいと、心から思った。





「────…やっぱり、ベッドへ行こうか?

 が可愛すぎて…理性が崩れてしまったよ」

「…うん、先生…」





先生に抱きかかえられて、寝室のドアをくぐった。

まだ明るい昼間なのに、不思議と抵抗はできなくて。

重ねられた唇を、自分から貪った。





これからも私は、優しくて…でも少しだけ意地悪な旦那様と一緒に、生きて行きます。

幸せな家庭でずっとずっと…包まれていたい。

新しい家族が増えた時を、いつか迎えられるように────今この瞬間、私はあなたを命の限り愛します。















…オワレ。


ハァア調子こいて済みませ…!!(滝汗)

遂に手を出しましたB.J新婚夢…!!(爆)

先生と結婚したい…したいー!!!(現実見てくださいMiaさん)

書いてて楽しかった。

相変わらず自己満フゥー!!なのですが(苦笑)

もうネタ的にもベタベタですが。

いやでも新婚さんだし…!!(ェ)

黒男さんなら頼めば新婚旅行に宇宙にだって連れてってくれそうだw

アアア脳内妄想失礼致しました…!!!


05.03.30 Mia


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っていうのを携帯の未送メールで発見したので、手直ししてアップしてみましたコンニチハMiaです!死

確かメルマガで流してた奴だと思います。

新婚夢かぁ…うん、先生と結婚したいという気持ちは今も本物ですが(笑)

ってかこの頃から既にフゥー!だったのかわたし…(笑)HGも健在ですフゥー!

一応「HOWEVERシリーズ番外編」という形をとってアップしたんですが、

反響とかあったらまた新婚で書いてみたいな、とも思ってます☆;"。.+:*


加筆修正05.07.04 Mia