「………しまった」
狼 と 兎
「あ…先生、上がったんだ」
「あ、ああ」
「…先生、どしたの?」
がちゃりとバスルームから続くドアが開いた音に振り返れば、
そこには風呂上りのブラック・ジャックの姿があった。
だが、少しいつもと様子が違う。
彼が身に纏っているのは、バスタオル一枚だった。
バスタオルを腰に巻き、こちらを振り返ったに苦笑いを浮かべている。
珍しいその格好に、は少し驚いたような声を上げた。
「服を持ってくるのを忘れたんだ。済まないな」
「言ってくれれば持ってったのに」
「…ってお前さん、まだそんな格好でいたのか?」
年頃の少女の前にバスタオル一枚で姿を見せた事に謝るが、
一方のは大して気にも止めていない様子で言葉を返す。
それどころか、今度は逆にブラック・ジャック自身が驚かされた。
先に風呂に入りもうパジャマか何かに着替えていると思っていたのだっが、
まだはバスローブを着たままだったから。
「だって暑いんだもん…」
「そう言う問題じゃないだろう…」
「そう言う問題!」
ああ暑い!、とアイスキャンディーを咥えながらパタパタと手で煽ぎ、
オーバーにソファに倒れ込んで見せる。
暑い…というのは確かだ。
今日の夕方、この家のクーラーが故障したのだ。
電器屋に電話したものの、修理が来るのは明日との事。
そうして、まだ夏の始まりだというものの暑い一晩を、
空調機なしで過ごすこととなったのだった。
「ぜんっぜん汗ひかないし…今着替えても気持ち悪くなるだけだもん」
「仕方ない奴だな…寝る前までには扇風機出しといてやるから」
「やった!先生大好き♪」
ブラック・ジャックが溜息混じりにそう言うと、
は彼の腕を引いて体を近づけると、ちゅ、と頬にキスを落とした。
「…誘ってるのか?」
「……え?」
の唇が自分の頬から離れるや否や、ブラック・ジャックは
彼女を真正面から見据え、深緑のソファの背もたれと自分の間に閉じ込めた。
「わっちょ…先生!」
そしてそのまま、ブラック・ジャックはをソファの上に押し倒した。
右手にアイスキャンディを持ったまま、必死に抵抗しようとする。
だか所詮の細い片腕一本で敵うはずもなく、簡単にバスローブの紐を解かれてしまう。
「ちょーっ、こんなとこで、やぁ!…あ、アイス!返せーっ!」
ひょい、とブラック・ジャックは彼女の手に握られたアイスキャンディを奪い、
先程の彼女のように冷たいそれを口に含んだ。
「スイカ…」
「あーあ、私のなのに…」
「久々に食うと美味いな」
「いつ食べても美味しいの!」
「フ…と一緒、だな」
大きな縫い傷のある端正な顔に、妖艶な笑みを浮かべるブラック・ジャック。
何かを思いついたらしく…その目には、妖しげな光が宿っていた。
「っ、きゃあ!」
既にブラック・ジャックによって肌蹴させられていたの白い胸元に、
適当な大きさに噛み砕かれたアイスキャンディが落とされた。
その冷たさに、はビクンと体を跳ねさせて声を上げる。
「冷たいよ、先生!」
「暑かったんだろ?丁度いいじゃないか」
「…ひ、ひゃんっ!」
ぺろり、と、の鎖骨の上を、ブラック・ジャックの舌が這った。
そこからゆっくりと舌は下っていき、行き着いた先は…
アイスキャンディのかけらが散りばめられた、の白い胸。
器用に舌を動かし、彼はの胸の上のかけらを転がし、一つずつ舐めとっていった。
室温と二人の体温で、ゆっくりと溶けていくアイスキャンディのかけら。
明らかに“アイスを舐め取る”だけではない彼の舌の動きに、の上げる声も
段々艶を帯びていく。
「ん…ふぅ、あん…」
「甘いな」
「ずる…い、先生だけぇ…っ」
「じゃあ最後の一つは…お前さんにも、あげようか」
小さなかけら一つを残したところで、ブラック・ジャックは不意に顔を上げてそう言った。
言葉を紡ぎ終わると、彼は最後に残されていたかけらを口に咥え、
の口元まで持っていき、そのまま口付けた。
「ん…う、…」
甘い―――――――――…
アイスキャンディの冷たさが、瞬く間に二人の熱によって溶けてしまったが、
キスは続けられた。
先程の胸の上でアイスキャンディを転がしていたブラック・ジャックの舌は
今はの舌を絡めとり、彼女を翻弄し続けている。
そして彼女を捕らえていた両手の片方で、の胸を、柔らかく揉み崩す。
「っ、んく、ふ…」
息の詰まるようなキスと胸への愛撫は、すぐにを快楽の海へと落とした。
自らも舌を絡ませ、彼を求める。
そして数十秒振りに唇が解放されると、お互いの唇と唇を銀糸が繋いだ。
それから二人の視線が自然にぶつかり…は、物言いたげな瞳でブラック・ジャックを見上げた。
「…どう、したんだい?」
「っ…」
下も、触って欲しい。
先程から彼から与えられる愛撫は、胸へのものばかり。
ブラック・ジャックの大きな手は、の白い形の良い胸の上を行ったり来たり…
そして執拗に、その頂きに飾られた桃色の実を転がしたり押し潰したりして弄んでいる。
その結果…彼女の秘部は蜜を出し始めていた。
早く、直接的な刺激が欲しい…彼女の瞳は、そう物語っていた。
恐らくブラック・ジャックは、彼女の言いたい事が分かってるのだろう。
だが敢えて、彼は聞いた。
「言わなきゃわからないぞ?」
「…」
「?」
彼女を意地悪な笑みと質問で問い詰めている間も、ブラック・ジャックは胸への愛撫を止めなかった。
彼の愛撫に比例して、次第に彼女の秘部から滴っていた蜜の量も増していく。
羞恥心が先立って求めている事を口に出せないでいるの瞳には、
段々と涙が溜まっていった。
「…先生の、意地悪…わかってるくせに…」
「今に始まったことじゃないだろう?」
「…っ…」
「仕方ないな…」
「ひゃんっ!」
濡れた瞳でじっと見つめられたブラック・ジャックは、苦笑いを浮かべると
その手をの下半身へと滑らせた。
長い指はすぐに淡い茂みを掻き分け、の秘部へと。
「まだ触ってもいなかったのに、こんなに濡れてる…」
「やっ、言わないでよ…」
ブラック・ジャックがからかうようにそう言えば、
の頬が更に赤く染まり、秘部から溢れ出る蜜もより一層量を増した。
くちゅり、くちゅりとの秘部から漏れる卑猥な水音。
その音が、居間中に響き渡る。
「…っは、ヤ―――――――」
「嫌じゃないくせに」
「ふぁ、あん!そこ、やだぁっ!」
の秘部に埋められた指がある一点を掠ると、が甲高い声を上げた。
ざらつくその壁をブラック・ジャックが器用に指の腹を使って何度も撫でる。
「せっ…おねが、やだ、やだ―――――――ッ…!!」
白い閃光が、彼女の頭の中で弾けた。
が一際大きい嬌声を上げると、そのままくたりとソファに沈んだ。
ブラック・ジャックを必死で押し返そうとしていた手も、力なく落ちる。
「…イったか」
「せんせ…の…ばかぁ…」
「…そろそろ俺も我慢できないんでね。挿れるぞ」
「ッあ、待っ…ひぁっ、あ―――――!!」
「っ…」
そう言うと、ブラック・ジャックはに息を整える間も与えず
彼女の足を掴み体勢を固定すると、彼女の秘部に既に熱を持った自身を宛がい、一気に貫いた。
イったばかりのの膣内は熱く、ブラック・ジャック自身を締め付けるように蠢いている。
「…」
「先生ぇ…ん、ふぅ―――――」
必死で快感に耐えようとしている彼女の名を呼び深く口付けると、
それからブラック・ジャックはの耳元で、いつもより低く囁いた。
「愛してる」
蕩けそうな脳にダイレクトに届く、愛の言葉。
それはただたったの一言で、の最後の抵抗の意志を、奪った。
「先…生……」
「動くぞ」
「あっやっ…あぁん!」
そう言うな否や、ブラック・ジャックはのナカで動き始める。
ぐちゅぐちゅと溢れる粘着質な音が、の耳に届く。
「はぁ、あっ…あぁっ、あん!」
「っ…、!」
「先生ぇ…っやぁ、激し…!!」
限界まで引き抜いて、最奥に叩き付ける…
無遠慮に繰り返されるその行為に、は必死で意識を保っていた。
自分のナカに感じる、自分の熱と、自分じゃない熱。
その二つに理性を掻き回されながら、は与えられる激しい行為に
ブラック・ジャックの首に手を回して耐え忍ぶ。
「っ…力、抜いてくれ…そんなに締め付けちゃ…」
「そ…なの…、無理ぃっ…」
耐えようとすればするほど、締め付けはきつくなって。
激しい抽挿を繰り返すブラック・ジャックを、は無意識に追い詰めていた。
「あ…も、駄目ぇっ…!先生、私―――――――っ」
「わかってる…っ、一緒に…な?」
「ひぁっああ、あ――――――――!!」
「くっ…!」
そして二人は、共に頂点の波に飲まれた。
「…あーもう、先生ってば何考えてるの?!」
「…悪かったよ」
「折角お風呂入ったのに、また汗かいちゃったし…
ってかそれよりも、場所!!場所くらい、わきまえてよ!」
情事を終えた後、ブラック・ジャックはの腹の上に放たれた白濁の液を
拭いてやり、まだ息の荒い彼女の隣に腰掛けた。
ようやく息の整ったの口から出てくる言葉は、彼への文句だけだった。
「信じられない、もう…リビングでヤるなんて…」
「そう言えば窓、開いてたな」
「なッ…!!」
ブラック・ジャックのその言葉を聞いて、顔面蒼白になる。
窓が開いていたからといってこの家の近辺に住む者はいないので
ご近所に聞かれる…という心配はないのだが、この家にはもう一人、同居人がいる。
「ど、どうしよう…ピノコちゃんに…聞かれてたら…」
ピノコに先程の行為を聞かれていたら…それだけは何としてでも、避けたい事態だった。
もしもの場合を考えて、頭を押さえる。
そんな彼女を、ブラック・ジャックは可笑しそうに見つめた。
「大丈夫だろ…もう夜中だし、あいつもぐっすり眠ってるさ」
「でも、万が一って事もあるし!」
「大丈夫」
涙目になって訴えかけるの額に、ブラック・ジャックはあやすように
キスを落とした。
その顔には、を落ち着かせる笑顔が浮かべられている。
「…もしバレてたら、先生のせいだから」
「そいつはひどいな。俺だけが悪いってのかい?」
「当たり前でしょ!人の意見丸無視して…私のスイカバーまで食べて…
しかも…な、生で!」
そう言って顔を赤くする。
当のブラック・ジャックは特に気にした様子もなく、彼女を見ている。
「外出ししたって意味ない事ぐらい、先生が一番わかってるでしょうが」
「寝室まで取りに行ってたら、おまえさんその隙に逃げちまうだろ?」
「逃げるに決まってるじゃない!」
「…そこまではっきり言われると、傷つくんだがな」
そう即答するに、少し肩を落とすブラック・ジャック。
決して真っ向から拒絶されているわけではないが、さすがに1秒も考えずにそう言われると、
少し悲しい気分にもなる。
「…大体おまえさんにも責任があると思うぜ?」
「…なんで私にもあるの」
「あんな格好で俺の前にいたのが、悪い」
…そう、バスローブ一枚で彼の前に現れるなんて…
それはもう、狼の前に兎が小さな尻尾を振って待っていたようなもの。
飢えた狼に、兎はすぐに…捕らえられてしまう。
「…狼」
「男は皆そうさ」
「うわ、最低…」
「じゃあ最低ついでに、もう一度頂くとするよ」
「え?…っきゃ!」
ブラック・ジャックは意地悪に微笑んだかと思うと、そのままを抱き上げる。
抵抗しようとするを無視して…そのまま寝室に、連れ込んだのだった。
蒸し暑い夜は、まだ終わらない。
fin.
60000hitキリリク、金平糖★さまに捧げるBJ裏夢でした!
遅くなってしまい本っ当に済みません〜!!汗
しかもエチーシーン短、ぬるっ!
あれだけお待たせしてコレかよ、っていう感じですが、
お受け取りいただけたら幸いです;;
六万打本当に有難う御座いましたv
これからも宜しくお願い致しますm(__)m
05.07.04 Mia