「ホンマに一人で大丈夫なん?」
「大丈夫大丈夫!アユ姉はまだ準備残ってるんだし」
「そう・・・?」
「うん!じゃーアユ姉、行ってきまーす」
「気ィ付けてな、ちゃん」
そう歩に声をかけて、は元気よく屯所から出て行った。
足りない夕飯の材料を買うために、が買い物へ出る事になったのだ。
「えっと、まず八百屋さんで大根、それから・・・うわぁ、急がないと間に合わない!」
もう太陽は傾きかけている。
新撰組隊士達全員分の夕食の準備をするのだから、早くしなければ間に合わない。
「おっちゃん、いらっしゃい!今日は何にするんや?ちゃん別嬪さんやからな、安くしたるでー!」
「あはは、ありがとおじさん!今日はね・・・」
八百屋の主人と和やかに会話し、必要な野菜を手に入れる。
「よし、買い忘れはないかな」
「おおきに、ちゃん」
「どーもでした!じゃ、おじさんまたね」
「ああちゃん、気ィ付けるんやで。最近なんや穏やかやないからなぁ」
「?はーい」
「あらあんた、ちゃんこないな時間に一人で帰らせて大丈夫なんやろか・・・」
「ここ最近、嫌な噂が立ちよっとるしなぁ。ま、ちゃんに何かあったら新撰組がおるさかい、何とかなるやろ」
「阿呆、何やあってからでは遅いのや」
の後ろ姿を見送りながら、八百屋の主人とその妻は心配そうに話す。
ここ最近、京の都ではある事件がよく起こっていたのだった。
「おっアユ姉、何してんのー?」
「あら鉄之助君、それに三人ともお揃いで」
台所では歩が夕食の支度をする手を止めて心配そうに立っていた所に、鉄之助と漫才トリオこと新八・左之助・平助がやってきた。
「何かあったの?」
「いやなぁ、ちゃんが買い物に出たきり戻って来ィひんのや」
「どんくらい前に出てったの?」
「もう一刻も前やろか・・・」
「・・・なぁ、ソレってちょっとヤバくない?」
新八の顔色が変わる。
「何?新八っつぁん」
「最近、よく女の人が拐われて、散々犯された後絞め殺された死体で発見されて・・・」
「バッ、馬鹿!何縁起でもねぇ事言ってやがる!!」
「おっ俺、副長に報告してくるっっ!!」
「あっちょ・・・鉄ちゃん!?」
「行っちまったな・・・」
「副長に言ったらさぁ・・・」
「余計事が大きくなるのにネェ・・・」
三人の声が届くはずもなく、鉄之助は一目散に土方の部屋へと走っていった。
「副長ォーッ!!」
スパァアンと勢いよく縁側の障子が開き、鉄之助が息を切らしながら走り込んで来た。
「市村テメェは何度言ったらわかるんだ!?あァ!?もっと静かに開けらんねェのか!!」
「そんな事より副長、姉が・・・!!」
「・・・がどうした」
鉄之助の様子は明らかにおかしい。
今にも泣き出しそうな必死な目で土方を見ていた。
「・・・それでが戻らねぇのか」
「は・・・ハイ」
「山崎君」
「は」
「うぉあッ!?」
ス・・・と、静かに廊下側の襖が開き、そこには監察の山崎烝の姿。
まさかそんな所にいるとは思わなかった鉄之助はすっとんきょうな声を上げた。
「夕立の殺人と呼ばれるここ連日の事件に巻き込まれた可能性が、一番高いかと」
「夕立の殺人・・・?」
「夕立の頃に、女が犯されて絞め殺される事件や」
「・・・でもよォ、雨なんか・・・」
「外見てみぃ」
「あ――――」
烝に促され鉄之助が立ち上がり障子を開けると、空からは雨が降りだしていた。
「巡回を強化していましたが、犯人は未だ捕まっておりません」
「・・・そうか」
「ちょ、どうするんスか副長!?」
「五月蝿ぇ市村。山崎君、ご苦労だった。もう下がってくれ」
「は、失礼します」
「うわ、何すんだよ!!」
丞はそう言うと鉄之助の着物の首を掴んで引っ張り土方の部屋から出て行った。
「ッーーー」
二人が部屋を去ると、土方は煙管を置き、部屋から勢いよく出て行った。
の居所に心あたりがあるわけではない。
しかし、体は何処かを求めて勝手に走り出す。
―――頼むから、無事で―――!!
「いやぁ、やだぁ離して!!」
「へへ、静かにしなお嬢ちゃん・・・」
夕立から逃れようと桟橋の下で立ち止まったは、後ろから男に押さえ付けられて身動きの取れない状況になっていた。
勿論、男は連日の事件の犯人。
夕立に紛れて姿を現し、女性を襲い最後には殺してしまう、京を不安の雲に貶めた男だった。
「やだやだやだっ、マジでやだぁ!!誰か助けてーッ・・・!!」
は力の限り抵抗するが、所詮男と女の力の差、敵うはずもなかった。
「諦めの悪い女だな・・・もう無駄なんだよ?お前はもう俺に捕まったんだからなァ」
「ひッ・・・触んないでよ!!」
「強がりも良いけど、女はしとやかじゃなきゃなァ?」
「ア――――」
ドスっと鈍い音が響き、男の拳がの腹を殴っていた。
「これで少しは静かになったな・・・さァて」
腹を殴られぐったりとするの体を、男が土手に寝かせ着物の合わせに手をかける。
「ぅ・・・や、だ―――土方さ・・・土方さん・・・!!」
怖いよ、キモチワルイよ
助けて、土方さん―――!!
「ギャアアアッ!?」
男の悲鳴があたりに響いて、透明の雨が赤く染まった。
土手のそこら中に、赤い塊が雨と一緒に落ちる。
「あ・・・?」
「ッ!!」
元の跡形もない男の体を押し退けて、土方がを抱き起こした。
「ひじかたさ・・・?」
「、大丈夫か?何もされてねェか!?」
「い、今の男の人、死んだ・・・の・・・?」
「あぁ、俺が斬った。もう、大丈夫だからな――――」
「っ・・・土方さ・・・うわぁあん!!」
はようやく自分が土方の腕の中にいる事、もう安全な事を理解し、土方の体にしがみついて大声で泣き出した。
「こわっ・・・怖かったよぉ・・・あのまま私、土方さん以外の人に変な事されちゃうのかと思っ・・・!!」
「馬鹿、そんなの俺がさせねぇよ・・・、大丈夫だ・・・泣くな・・・ッ」
そう言うと、土方は一層強くの小さな体を抱き締めた。
雨ですっかり濡れたその体は、土方の腕の中でまだ震えていた。
正直、土方は自分でもどうの居場所を探し出したのか覚えていない。
ただ今までの事件の状況を思い出し、降りしきる夕立の中を傘も持たずに必死に走っていた。
河原での薄桃色の着物に覆い被さる男の姿を見つけた時、土方は何も考えられずただ刀を抜き、男をバラバラに斬り裂いた。
「う・・・うん、土方さん・・・土方さん・・・ッ」
「・・・」
そっと、土方はの唇に口づけた。
冷たくなった唇が、互いに触れ合ってまた熱を持った。
「着物、汚れちまったな」
「あぁ、ほんとだ」
「泥に雨に・・・血もつけちまった」
「・・・うん」
「・・・今度新しいヤツ、買ってやるよ」
「ほんとっ!?やったぁ!!」
「あぁ。けどその代わり、しばらくお前ぇは外出禁止だ」
「えーっ!?」
「どっか行きてェ時は、俺同伴だ」
「・・・はい」
珍しく繋いだ二人の手に、が微笑みながら少し力を込めた。
「あ、見て見て土方さん!」
「何でェ」
「空、スゴい綺麗」
見上げた空は、見事な夕焼けで橙に染まっていた。
二人の体も橙に染められ、大きな陰と小さな影が、道に長く伸びた。
「土方さん、ありがとう」
「・・・もう心配かけるような事、すんじゃねぇぞ」
「・・・はい」
終われ・・・!!
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ようやく更新ピスメ夢です!
これはしばらく前に出来てたんだけど、ビルダーがなくて今までアプれてませんでした。
ぜーったい京弁間違ってるよー・・・;
内容も恥ずかしさ満載でもうホント穴を掘って隠れたひ・・・(死)
わけわかんなくてごめんなさい・・・あああああー;;
タイトルbyアジカン。
タイトルだけね(笑)。
内容はそんな関係ないです。
平成壱拾六年六月弐拾七日 Mia拝
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