「んー・・・はぁ」





はその夜何度目になるのであろう寝返りをうった。

蒸し暑い夜。

とても眠れない。

床についてからというもの、掛け布団もはねのけてごろごろと寝返りばかりうっていた。





「っあ゛ー・・・もう駄目っ」





いよいよ耐えられず、は勢いよく体を起こす。

そしてそのまま立ち上がり、障子に手をかけて部屋の外へと出た。





「暑いー、暑いー・・・」





縁側に腰掛けながら、ぼーっと庭を眺める。

部屋の中よりは風が流れているので幾分かは涼しいが、やはり暑いものは暑い。





「このまま此処で寝ちゃおうかな・・・あ、駄目だ虫に刺される」





いくら香取線香を焚いていると言っても、やはり効果には限度がある。

暑くて眠れないのも嫌だが虫に刺されて痒い思いをするのはもっと嫌だ。

そう思ったは仕方なく立ち上がり部屋に戻ろうとした。

が、その時。





「何夜中に一人でブツブツ喋ってんだよ・・・キモチワリィ奴だな」

「あ―――土方さん」





声の主は土方歳三。

が立ち上がった瞬間に少し先の障子が開き、彼が姿を現したのだった。





「スミマセン、起こしちゃいました?」





が苦笑いしながら土方に尋ねる。





「いや―――俺も眠れなかったんでな。」

「あはは・・・暑さにだけはどうも敵わないですよねぇ」

「ほぉ・・・お前ぇにも敵わねぇものなんざあったのか」

「夜中に喧嘩売ってんですかアンタは」





土方の言葉にが笑顔で暴言を吐く。

いつもの調子だ。





「ま、私そろそろ部屋に戻りますんで」

「ちょっとくれぇ付き合えよ、

「何でですか」

「お前ぇは俺の女だろ」

「そんなん10割方関係ないかと思われますが」

「五月蝿ぇ、いいから来い」





土方にそう言われ、仕方なく土方の所まで行き腰を降ろす。





「ちょっと―――土方さ、何するんですか!///」

「いいから黙ってろ」





が隣に座ると、土方は急に彼女を抱き寄せた。

夜独特の静けさの中で、の声が響いた。





「最近ゆっくり出来なかったからな」

「・・・そうですね」

「しばらくこうしていさせろよ」

「・・・ん」





が目を閉じたのを合図に、土方はの頬に軽く口づける。

くすぐったそうにが口の両端を上げた。





お互い何か話すわけでもなく、ただ寄り添い庭を眺める、静かな時間。

いつの間にか香取線香の火は消え、星と月が二人を照らす。

人々の寝息と虫の声だけが聞こえる夏の夜。





「そう言えば・・・」

「何だ?」





土方に寄りかかり空を眺めていたが、思い出したように口を開いた。





「七夕のたんざく、何で土方さん書かなかったんですか」

「ンなモン男が書けるかよ」

「えー?隊士の人達みんな書いてましたよ」

「ったく馬鹿らしい、ガキかってんだ」

「ちなみに近藤さんも書いてました」

「・・・(何やってンだよ近藤さん・・・!!)」





の言葉に、土方は頭を押さえて溜め息をついた。

今年の七夕はもう一月程も前の事。

七夕の日の少し前に、屯所に竹を切ってきてたんざくを書いて吊した。





「肝心の七夕当日は、御用改めとか言ってみんな出払っちゃったから何にも出来なかったんですけどね」

「そうだったか」

「そうでした」

「で?お前は何て書いたんだよ」

「えー?そういうのって人に話したら叶わないって言うじゃないですか」

「どうせ叶わねぇんだ、此処で言っちまっても変わんねぇだろ」

「勝手に決めつけないでくださいよー!!」

「フン」





子供のように頬を膨らますを横目に土方がいつものように鼻で笑った。





「・・・でも」

「?」

「好きな人に一年に一回しか会えないなんて、辛いんでしょうね」

「そうか」

「そうかって・・・はぁ、土方さん薄情ー」

「今更だろ」

「私だったら耐えられませんよ!!―――例えば、土方さんに一年に一回しか会えないなんて」





体を向き直しその大きな瞳をめいっぱい広げて土方を見て、が言った。





「・・・だからお前ぇは馬鹿だってんだ」

「え?」

「・・・もう寝る。」

「ええ!?何ですかそれ!ってか何が馬鹿なんですかっ!!」

「自分で考えやがれ」





そう言い残して立ち上がると、自分の部屋の障子に手をかける。

は縁側に座ったまままた先程のように頬を膨らませ、土方の方に目線をやる。





「お前ぇもさっさと寝ろよ」





それとも一緒に部屋に来るか?と言い、少し笑ってを見た。

言葉の裏に込められた意図を察知し、は顔を赤くし慌てて立ち上がる。





「いっ、行かないですよ!じゃ!おやすみなさい!!///」





障子を開けたまま柱に寄りかかり、足早に自室へと戻っていくの背中を眺める。





「・・・言える訳ねェけどな。」


もし離れてしまったら

耐えられないのはお前以上に俺の方かもしれねぇ


「第一―――――――


 俺がお前を離すわけねぇだろうが、馬鹿」





もう行ってしまったに聞こえるはずもない言葉。

真夏の夜空、きらりとひとつ、星が流れた。
























終終終・・・!!!(汗

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8888ヒットジュリ様リク土方さん夢です。

長らくお待たせしてホントスミマセンー!!

その上駄作でほんと申し訳無・・・!!(泣)

どうでも良いのですが函館に行って書いてきた夢です。

ここ最近すっごく蒸し暑い夜が続いたのでこんなカンジに。(爆)

とりあえず甘いの目指したんですが・・・甘くねぇよコレ!!

どうしました歳さんって感じだよ!!(滝汗)

いやでもウチの歳さんはちょっと言葉が足りない人です。ハイ。(撲殺)

とにかくジュリ様キリ申告有難う御座いました!!

ジュリ様のみお持ち帰り可です。


弐〇〇四年八月参日 Mia拝。

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