黄 昏 ロ マ ン ス
「ねぇ先生、先生ってば」
「!ん、ああ、何だい?」
「もう、また人の話ちゃんと聞いてくれないんだから」
「ごめんごめん・・・」
に名前を呼ばれて、ハッと我に返る。
何を考えていたかなんて・・・君に話したら、君は笑うだろうか。
・・・君の事ばかり、考えていたなんて。
ブラック・ジャックという名で無免許のまま医者という仕事を続けて、もう何年にもなる。
自分自身の身すら危ないような生活の中で、つい数ヶ月前にに出会った。
初めは恩師の頼みという事で保護者として預かり、その一ヵ月後に恋人になった。
・・・もうあれから、自分が女性というものに惹かれる事は二度とないと思っていた。
実際何年もそう過ごしてきたし、別にそれはそれでいいと思っていたのだから。
・・・なのに、俺は出会ってたった数ヶ月の君に惹かれ、いつしか君自身が欲しいとまで思うようになった。
自分でも、消そうとしても次から次へと溢れてくるその感情に困惑したんだぜ?
そして恋人として日々を過ごす中で、俺は新たな不安に囚われた。
・・・君は、幸せなのだろうか?
はまだ、18歳で。
君の周りには、たくさんの可能性が道を開いて待っているはずだ。
なのに、俺といてそれで君は、幸せになれるのか?
俺自身、自分が真っ当な身の人間でない事くらい痛いほどにわかっている。
その道をもう戻れない事も、戻るつもりもない事も。
だからこそ、本当にこれで良かったのだろうか・・・そう、思ってしまう。
もし俺達がこのままずっと一緒にいて、いつか年老いた日に。
そんな時、今を思い出したら俺は何て言うのだろう?
考えすぎだ、と言って笑うのか?
それとも、何故自分勝手に彼女を振り回し、幸せを奪ったと怒るのか?
・・・その答えだけは、いつまで探したって見つからないだろう。
現に今だって、いくら考えてもわからないんだからな。
ただ、俺には君の笑顔を数える事しかできない。
近くにいて、触れて、口付けて。
出来るのは、それくらい。
それだけで、果たして何十年後も笑っていられるのだろうか?
君はまだ、隣にいてくれるのだろうか?
この間君が話してくれた、大きな秘密、そして起こった出来事。
・・・俺はただ、抱きしめてやる事しか出来なかったけれど。
いつしか腕の中で眠っていたを、心から守ってやりたいと思った。
そんな感情が芽生えたのは、初めてと言ってもいいかもしれない。
そしてまだ君の中に潜む心の闇を、取り去ってやりたかった。
俺は外科医で、精神科医じゃない。
だが、問題は其れじゃなくて。
俺が彼女すべてをわかってやれた日に、本当にを幸せにしてやれるんじゃないか・・・
・・・そんな気がした。
よく考えれば確かにそれは気だけで、確証はない。
俺はいつも、患者が治るか治らないかは一種の賭けだと思ってやっている。
だがは患者じゃなく、俺の恋人だ。
・・・賭け、などという不安定なもので定義しておくのは嫌だ。
それが自分勝手で子供じみた言い分なのはわかる・・・だけど、俺は。
どんなに自分勝手でも、不安でも
を手放したくはないから。
俺達はまだ、本当に歩き始めたばかりで。
知っている事も知らない事も、お互いにたくさんあるだろう。
答えが見つかったわけでもないし、君が幸せであるという確証を得たわけでもない。
君の心の傷や・・・俺自身の事だって、片付いたわけでもない。
・・・それでもその中で、俺達は、共に歩いて、生きて。
我ながら実に半端で曖昧な答えだと、そう思う。
だけど結果はすぐにはわからないから。
今はまだ、はっきりと見えなくても・・・
これからずっと先の未来で、俺の隣で君が笑っていてくれると、信じていよう。
それが今の、俺の答えさ。
「・・・あんまり考え事しすぎると、禿げちゃうよ?」
「それは困るね。・・・難しい考え事は、もうやめだ」
「そう?それがいいよ」
「考え事なんかするより、おまえさんの顔を見ていた方が良いからね」
「・・・先生」
「ん?」
「・・・私、幸せだよ?」
「・・・」
fin.
Inspired by ポルノグラフィティ"黄昏ロマンス"
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とりあえず、黒男さんも普通の男ということで。
恋に悩んだりもするんです(笑)。
一人語りって、案外書きやすかったですー。
別人過ぎるのは、100も承知です・・・orz
口調がうまく・・・うまくいかない・・・・・・・!!!!(泣)
あああああ本当に済みませんでした・・・!!!(滝汗)
04.12.27 Mia拝
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