涙を流した。
その肩を抱きしめてくれたあなたの腕は、何よりもあたたかかった。
L o s t m a n
いつだって一人だった。
誰かが死んだ日も、遠ざかった日も。
『可哀相ねぇ』
『一人で大丈夫かい』
『気を落とさないで』
『負けちゃだめよ』
『泣かないで』
声をかけてくる人はたくさんいたけど、
本当に“わたし”を心配してくれているわけじゃないのは、わかってる。
同情。
気まぐれ。
自己満足。
人間って、面倒だな
崩れそうな人間がいると、たいてい誰かが声をかける。
元気を出しなさい、と。
表面上は、いかにも哀れんでいて。
だけどそれから何をどうした?
何もしない。
ただ言葉にして、傍観しているだけじゃない。
そしてわたしはこう答える。
『ありがとう』
かなしそうな作り笑いで、相手の同情を受け取ったふりをして。
それからまた、こう言うの。
『わたしは、だいじょうぶ』
別に誰かの愛情が欲しいわけじゃなくて。
ただの同情だから、いらないんじゃなくて。
そ ん な 薄 っ ぺ ら な 言 葉 な ら 、
最 初 か ら い ら な い の 。
繰り返される、同じような言葉。
それを聞くたびに、わたしの神経は逆撫でされた。
いらない。
いらない。
何もかも、いらない。
いっそこの世の人間が、みんな死んでしまえばいいのに。
誰もいなくなった世界で、わたしは一人で笑ってこう言うの。
『可哀相ねぇ』
何処が?
『一人で大丈夫?』
今までも、これからも一人だから。
『気を落とさないで』
ううん、ご親切に。
『負けちゃだめよ』
大丈夫、わたしを襲うものは、もう何もないから。
『泣かないで』
・・・何の為に?
これがわたしの望んだ世界だもの、そして何を求め続ける?
ううん、何もいらない。
誰もいらない。
願わくば、そのまま一人でいずれ訪れる終わりを待ちたい。
涙なんて、もう枯れたと思っていた。
一度も汲み上げられないまま、枯れた井戸。
同じじゃない。
ただ井戸と違ったのは、わたしのそれは必要としなかったこと。
誰かの為に流す涙も、自分の為に流す涙も
全部、全部。
固めてしまったの、コンクリートで。
誰に逢っても喋っても、砕けることのなかった石の砦。
それなのにどうして、あなたはたった一言でそれを崩してしまった。
「泣いても、いいんだよ」
何で、どうして、わたしの両目からは熱いものが溢れてくるんだろう。
何がわたしの中の泉を、突き動かしたんだろう。
泣かないことが強いことだと思っていた
そしてそれが誇りだと思っていた
抱きしめてくれる腕なんていらないと思っていた
一人で寂しさ辛さ全部を閉じ込めて
ましてやそれを、受け止めてくれる優しさなんて
自分が迷子って事に気付いてたのに、気付かない振りをしてたんだ。
わたしは、わたしは。
今までの誇りはどうしたの?
どうしてわたしは、この人の腕の中で泣いているの?
一人がいいんじゃ、なかったの?
誰かを・・・あなたを、好きになったときから、わたしは変わってしまった。
誰かの前で泣くことは、強さですか?弱さですか?
ねぇ先生、教えてよ
「好きなだけ泣いて、怒って、笑って・・・そうして人は、強くなるんだ」
どうしよう
こんなのわたしじゃないよ
涙が、止まらない。
10年分の涙が、激しい自己主張をしたように。
怒ったように。
わたしは、声を上げて泣き続けた。
認めたい
認めたくない
誰かに触れていたい、という感情。
こんな弱いわたし、いらないよ
だいじょうぶ、って、言えないよ
違う
だいじょうぶなんかじゃない
強くなんかなくたっていい
今までのわたしを、否定したっていい
今はただ、あなたの腕に縋りついていたい。
弱くても、情けなくても
初めて触れたほんとうの優しさに、溢れてくる感情に わたしは
「 」
そう一言呟いた、たったの五文字。
生まれて初めて、心の底から他人に言う、言葉。
ねぇ 涙が止まらない
泣くことを思い出させてくれたのは、先生なんだから。
止め方も、教えてよ?
言葉にならないこの感情は 何ですか?
好き
嫌い
大好き
愛してる
こんなんじゃ、足りない
もっともっとたくさんの気持ちで、あなたを想っています。
せめて涙が止まるまで、このままでいさせて。
迷子はやっと、帰るべき家を見つけたんだから。
お願いします。
これからも、わたしを愛してください。
また泣きたくなったら、また抱きしめてください。
お願いします、神様。
わたしから、この人を取り上げないでください。
・・・これからも、あなたを愛させてください。
強くても、弱くても。
そのままのわたしを、見てください。
今ようやく、わたしは・・・
あなたを心から、迎え入れられるようになったと思うから。
fin.
iInspired by BUMP OF CHICKEN"ロストマン"
思いっきり声を上げて泣くことも、強さだと思う。
それにしても・・・暗ぁー・・・(^^;)
ていうかこれはBJ夢である必要性が感じられない・・・(滝汗)
embraceに続いて意味不明シリーズだよ・・・orz
個人的にはこういうの、好きなんですけど(根暗ァアアー)。
自分の中では、このBJヒロインは父の死以来ずっと泣くことをしなかったと思うんです。
強がって生きてきたのかなーと。
泣く=負け、じゃないけどまぁそんな感じに思ってたんじゃないかと。
だから強さとか弱さにもすごくこだわってる。
他人に対しても、意識的に一歩引いて壁を作ってるし。
タイトルbyバンプで・・・基央!基央!!(何)
済みません、メスで刺されて逝ってきまつ・・・。
20050114.Mia
BGM by One's「飛べない羽根」